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エレベーターの調速機とは?安全装置としての役割や機能について解説
エレベーターの調速機について、基礎知識やメンテナンス方法を把握しておきたい方に、本記事は適した内容です。本記事では、調速機はエレベーターにおいてどのような働きをしているかを解説します。
さらに、調速機以外の安全装置や、よくある質問についても詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
- エレベーターの速度異常は調速機が感知する!
- エレベーターの速度異常落下事故は調速機と非常止め装置が防ぐ
- エレベーターにある調速機以外の安全装置
- ・UCMP(戸開走行保護装置)
- ・非常止め装置
- ・地震時管制運転装置
- エレベーターの調速機に関するよくある質問
- ・点検・メンテナンス方法は?
- マーキュリーエレベータなら調速機を含めたメンテナンスに対応可能!
エレベーターの速度異常は調速機が感知する!
エレベーターの調速機はガバナーとも呼ばれ、カゴの昇降速度を監視し、異常な速度が検出された場合に安全装置を作動させる重要な装置です。
調速機にある主輪をガバナーロープが回転させることでカゴの昇降速度が伝わる仕組みです。また、調速機には振子がセットされており、カゴの速度に異常が生じると遠心力により振子が外側に開閉します。(昇降速度が早いと開き、遅いと閉じる)
調速機はエレベーターの安全性を確保するために重要な役割を果たす安全装置ですが、経年により消耗・劣化する機械です。エレベーターの安全稼働には調速機を含めた細部にわたる適切な保守点検が欠かせません。
エレベーターの速度異常は調速機と非常止め装置が防ぐ
エレベーターの速度異常は調速機と非常止め装置によって防ぎます。
調速機はカゴの速度を常に監視し、異常な速度が検出されると非常止め装置を作動させる仕組みです。調速機にはディスク形とフライボール形の2種類があり、どちらかのタイプがご使用のエレベーターに設置されています。
何らかの原因によりカゴの速度に異常が発生した場合、以下の流れでエレベーターを緊急停止させます。
1. 調速機がカゴの異常速度を検知する
2. 振子がスイッチに接触し、エレベーターの電気的動力を切断する
3. スイッチ作動後も加速する場合は、調速機により機械的に非常止め装置を作動させる
4. 非常止め装置がガイドレールをつかみ、カゴを緊急停止させる
調速機が非常止め装置を作動させることで、事故を防止します。非常止め装置には「早ぎき式」と「次第ぎき式」があり、法令によりどちらを採用するかが決まっています。
エレベーターにある調速機以外の安全装置
エレベーターには、調速機以外にも多くの安全装置が設置されています。そのなかから、以下3つの安全装置を紹介します。
● UCMP
● 非常止め装置
● 地震時管制運転装置
それぞれの特徴を解説します。
UCMP(戸開走行保護装置)
UCMP(戸開走行保護装置)は、国の認定を受けている安全装置です。二重のブレーキシステムを備えており、一方のブレーキが故障しても残りのブレーキが作動してエレベーターの安全を守ります。
また、通常の制御プログラムとは別に独立した制御回路があり、異常事態にも対応します。センサーでドアの開閉状況とカゴの移動距離を監視し、ドアが開いたまま一定距離以上移動するとカゴを停止させます。
この装置は平成21年の建築基準法改正により、新しく設置するエレベーターへの取り付けが義務付けられています。
非常止め装置
非常止め装置の役割は、カゴの速度に異常が生じた場合に緊急停止させ、乗客の安全を守ることです。
「早ぎき式非常止め装置」は、かごへの衝撃が大きい為、定格速度が毎分45m以下の低速エレベーターに限り、取り付けられます。異常を感知するとほぼ瞬時にエレベーターを停止させます。
「次第ぎき式非常止め装置」は、定格速度が毎分45mを超える場合に使用され、衝撃を抑えながら安全にエレベーターを停止させます。
地震時管制運転装置
地震時管制運転装置は地震が発生した際に最寄階でカゴを停止させ、乗客を避難させるために重要な安全装置です。この装置は概ね震度4程度以上の地震を感知すると作動します。
平成21年9月の建築基準法の改正以降、新しく設置するエレベーターへの取り付けが義務化されました。この装置は、地震発生時の閉じ込め事故を防ぎ、乗客の迅速かつ安全な避難を可能にします。
エレベーターの調速機に関するよくある質問
エレベーターの調速機に関するよくある質問は以下です。
● 点検・メンテナンス方法は?
点検・メンテナンス方法は?
エレベーターの調速機は安全運行に不可欠な装置であり、定期的なメンテナンスが求められます。年1回行われる法定点検のほかに、定期的に点検を実施し、異常がないかをチェックしてもらいましょう。
点検方法には、外観検査・動作確認・速度測定・ブレーキ装置の点検・電気系統の確認などがあります。これらの点検は専門の技術者によって慎重に行われます。
調速機は耐久性が高いものの、10〜15年程度で交換が目安となっています。定期的なメンテナンスにより機械や部品の劣化・消耗を防ぎ、長期的な安全性の確保に努めてください。
マーキュリーエレベータなら調速機を含めたメンテナンスに対応可能!
調速機は、エレベーターの安全運行に欠かせない装置です。速度異常を検知した調速機は非常止め装置を作動させ、カゴを緊急停止させます。これらの装置の働きにより、エレベーターの事故を防止しています。
調速機は劣化・消耗する機械であるため、定期的なメンテナンスが欠かせません。マーキュリーエレベータは、調速機を含めたエレベーターの機械やシステムのメンテナンスに対応しています。リニューアル工事にも対応していますので、お気軽にご相談ください。