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エレベーターピットに溜まった水は排水が必要?溜まる原因と対策
本記事ではエレベーターピット内に水が溜まる原因や具体的な排水方法を紹介します。エレベーターのトラブルを未然に防ぎ、安全な稼働を心がけているオーナー様はぜひ参考にしてください。

エレベーターの最下階よりも下に位置するピットには、水が溜まる場合があります。これは建物の老朽化による漏水である場合が多く、劣化や異臭の原因となるため排水が不可欠です。
- エレベーターピットは機器の保護と安全対策に必要な設備
- エレベーターピットに水が溜まる原因と悪影響
- 水が溜まる原因
- 金属部分の腐食
- 機械の故障
- 異臭の発生
- コンクリートのヒビ割れや亀裂からの浸水
- エレベーターピットに溜まった汚水の排水方法
- 排水ポンプで汚水を吸い上げる
- 手作業で汚水を取り除く
- エレベーターピットに水を溜めない方法
- メンテナンス時に排水処理をする
- 防水工事で修繕する
- エレベーターピットの不具合は定期メンテナンスで未然に防ごう!
エレベーターピットは機器の保護と安全対策に必要な設備
エレベーターピットとは、カゴが停止する最下階の真下に設けられた空間のことです。
ピットの内部には電気機器やバネ・油圧緩衝器などが設置されており、エレベーターの安全な運行を支えています。また、ピットの深さは建物の高さやエレベーターの移動速度を基準に設計するよう、建築基準法第129条10項の関係告示で定められています。
このようにピットは、エレベーターの機器を保護し利用者の安全を守るために不可欠なものです。
エレベーターピットに水が溜まる原因と悪影響
エレベーターピットには気が付かないうちに水が溜まる場合があります。これを放置するとエレベーターの稼働に支障をきたす恐れがあるため、オーナーは適切な対処をしなければなりません。
ここでは、ピットに水が溜まる原因と悪影響について説明します。
水が溜まる原因
エレベーターのピットは浸水しにくい構造になっていますが、水が溜まる場合があります。これは建物の老朽化や状況の変化による漏水が原因で、以下のような例が挙げられます。
金属部分の腐食
金属の腐食はエレベーターの重大事故につながるリスクの一つです。
金属を多く使用しているエレベーターは水に弱いため、わずかな浸水でも腐食や劣化などが進みます。また、これらが原因で部品交換や修理が必要になると、エレベーターの稼働を停止し修理しなければなりません。そうなると、利用者に不便を強いることになりかねません。
浸水により起きた腐食は、利用者の利便性だけでなく安全面にも影響を与える危険な状態です。
機械の故障
エレベーターは精密機械であるため、水濡れすることで漏電や故障の可能性を高めます。
また、エレベーターに使用されている機械油は水と一緒にピットに溜まると、油の酸化によって金属の劣化の進みが早まります。エレベーターの誤作動や運転停止などにもつながりかねません。
ピットの浸水は、電気機器の故障や火災・感電などの重大なトラブルの原因になります。
異臭の発生
エレベーターピットの漏水は、異臭を発生させる原因です。
密閉されたピット内は換気しにくい場所でありながら、水が溜まりやすく、排水が滞ると悪臭が発生する恐れがあります。
また、浸漏水を放置し続けてピット内の水位が上がってしまうと、汚水がエレベーターの乗り場にまで及んでしまう場合もあります。エレベーターピットの漏水や浸水は、衛生面や安全面で大きな問題を引き起こします。。
コンクリートのヒビ割れや亀裂からの浸水
地盤沈下や地震など地盤の変化による床面の変形
大雨や台風などによる雨水の流入
また水漏れがなくても、水が蒸発した跡や異臭があったら漏水の可能性があります。
エレベーターピットに溜まった汚水の排水方法
エレベーターの安全な稼働のために、ピット内に溜まった汚水は早めに排水する必要があります。主な排水方法は、以下の2つです。 それぞれの方法を解説します。
● 排水ポンプで汚水を吸い上げる
● 手作業で汚水を取り除く
排水ポンプで汚水を吸い上げる
エレベーターピット内の水は、業者がポンプで吸い上げて排水する排水が一般的です。
小型の電動ポンプやポンプ車を手配する必要はありますが、効率的に排水可能です。ただし、排水ポンプは吸引できる水位に制限があったり、また、汚水の汚れの程度によっては吸引出来ない場合があります。
手作業で汚水を取り除く
ピット内は手作業で排水する場合もあります。手作業での排水は時間がかかりますが、汚水の量や状況に応じて適切な対処が可能です。
作業にはバケツやスポンジなどを用いて、排水ポンプで吸引しきれなかった汚水や機械油が劣化して沈殿したものを取り除きます。ピット内の確実な水抜きを行うためにも、手作業による排水は不可欠です。
エレベーターピットに水を溜めない方法
エレベーターの劣化を早めトラブルの原因となる漏水を防ぐ方法は2つあります。
● メンテナンス時に排水処理をする
● 防水工事で修繕する
エレベーターピットは浸水を防ぐ処置を行い、水を入れない・溜めないことが大切です。
メンテナンス時に排水処理をする
エレベーターは国土交通省の法令で点検のタイミングが定められています。点検と同時にメンテナンスを行えば定期的な排水が可能です。
例えば、「建築基準法」第12条の3では、年1回検査結果を行政に報告する義務があります。また「昇降機の適切な維持管理に関する指針」では、常時運行に支障がないよう数ヶ月ごとの保守点検が推奨されています。
メンテナンス時に漏水の痕跡があるかをチェックし、異変があれば排水処理を行ってください。排水処理は漏水の根本的解決にはなりませんが、当面の対応策として実施しなければなりません。
防水工事で修繕する
建物に経年劣化・老朽化はつきものです。時間経過と共に漏水が発生するのはやむを得ません。しかし、適切な補修工事を行えば、漏水防止が期待できます。
エレベーターピットの止水・防水工事は、エレベーターのメンテナンス会社や専門の業者へ依頼して下さい。
費用や工事期間、防水効果などを総合的に判断して、適切な方法で修繕を行ってください。
エレベーターピットの不具合は定期メンテナンスで未然に防ごう!
エレベーターピットへの漏水はエレベーター本体の劣化を早めます。安全性に問題が生じるため早急な排水作業が必要です。また、漏水を発見したら排水だけでなく、止水・防水処置を行うのがおすすめです。
マーキュリーエレベータでは、安心を支える技術力できめ細やかなメンテナンスを実施しています。利用者の安全・安心を守るため、ぜひマーキュリーエレベータにご相談ください。