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エレベーター保守に関連する法律を知ろう|検査の種類や罰則を解説
エレベーター保守に関連する法律を知ろう|検査の種類や罰則を解説
エレベーターは2つの法律に基づき、点検や有資格者による定期検査を行う必要があります。今回の記事はエレベーター保守に関連する法律を知っておく必要がある所有者や管理者の方に向けた内容です。
こちらの記事を読めば、どのような法律に沿って点検や定期検査を実施しなければならないのかわかるでしょう。また、法律違反した場合の罰則についても解説しています。エレベーターの維持保全に必要な知識を身につければ、安心と安全を利用者へ届けられるでしょう。
- エレベーター保守に関連する2つの法律と検査
- 1.建築基準法|定期検査
- 2.労働安全衛生法|性能検査
- エレベーター保守点検|法律に関するQ&A
- Q1.点検はすべて報告する必要がある?
- Q2.無資格の人は点検ができないって本当?
- Q3.法律違反すると罰則はある?
- Q4.もし法律が改正されたらすべきことはある?
- エレベーター保守の法律順守で安心・安全を提供
エレベーター保守に関連する2つの法律と検査
エレベーターが取り付けされている物件の所有者・管理者は以下の法律に従い、エレベーター保守に努める義務があります。
1. 建築基準法|定期検査
2. 労働安全衛生法|性能検査
それぞれの法律に基づいて必須となる各検査を説明します。
1.建築基準法|定期検査
エレベーターに必要な定期検査は「昇降機等定期検査報告」に該当するものです。これは、建築基準法第12条第3項によって規定されています。エレベーターが設置されている物件の所有者や管理者は国家資格保有者へ検査を依頼し、その検査結果を特定行政庁に報告せねばなりません。
定期検査のサイクルは概ね1年に1回です。特定行政庁が定めた期間には、検査の実施を行う必要があります。検査に合格すると(財)日本昇降機安全センターから「定期検査報告済証」が交付されます。これをエレベーターのカゴ内に貼付すれば、検査は完了します。
提出した報告書は保守点検業者に閲覧・貸与をするため、3年以上の保管が必要です。また物件の所有者や管理者が変更になる場合、報告書は後継者へ引き継ぎが必要です。
2.労働安全衛生法|性能検査
工場や倉庫等に設置された積載量1トンを超えるエレベーターは、労働安全衛生法第12条の特定機械等に該当します。労働安全衛生法第41条とクレーン等安全規則の法律に従って1年に1回の性能検査と1ヶ月に1回の定期自主検査をするのが通例です。
性能検査は法律で定められた資格保有者のみが実施できます。検査結果は労働基準監督署長または厚生労働大臣の指定する機関に報告しなければなりません。
性能検査に合格すると、有効期限が1年間となる検査証が発行されます。なお、定期自主検査の記録は保管義務があり、有効期間は3年間です。
エレベーター保守点検|法律に関するQ&A
ここからはエレベーターの保守点検と法律についての質問に回答します。エレベーターがある物件の所有者や管理者の方は参考にしてください。
Q1.点検はすべて報告する必要がある?
実施しているすべての点検を特定行政庁へ報告する義務はありません。しかし、建築基準法第8条の規定により物件の所有者や管理者は所有物件を維持保全する努力義務を負っています。そのため、法律に基づき、すべてのエレベーターを対象に常に保守点検の実施をする必要があります。
日常で行う点検に特別な資格は必要ありません。そのため、エレベーターの構造を熟知している保守点検会社に任せれば問題はないでしょう。
マーキュリーエレベータは保守点検のほか、報告義務のある検査を行えます。またリモートメンテナンスシステムを利用して、遠隔監視やエレベーターのモニタリング、運行状況の把握が可能です。
Q2.無資格の人は点検ができないって本当?
昇降機の保守点検を行うために必要な資格はありません。しかしエレベーターのしくみや機種に応じた特性、電気・機械の知識などがなければ点検出来ません。
また、特定行政庁へ報告が必要な検査を実施できるのは法律上、有資格者のみです。各検査を行える資格は異なります。
定期検査 | ・1級建築士 ・2級建築士 ・昇降機等検査員 |
性能検査 | ・労働基準監督署長 ・登録性能検査機関(厚生労働大臣による登録を受けた機関) |
物件の所有者や管理者が資格を保有しているケースは少ないでしょう。有資格者が在籍する保守点検会社や指定された機関へ依頼をすれば、検査報告まで行ってくれます。
Q3.法律違反すると罰則はある?
物件の所有者や管理者は法律によってエレベーターの保守・維持管理のため、検査の実施が義務付けられています。
そのため検査や報告を怠り、法律違反をした場合、厳しい罰則が課せられます。
建築基準法 | 100万円以下の罰金 |
労働安全衛生法 | 6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金 |
物件の所有者や管理者は法律をきちんと守り、所有物件を管理しなければなりません。
Q4.もし法律が改正されたらすべきことはある?
既存物件は建築当時の法律を基に建築されているため、新しく改正された法律に適用しない場合があります。新しい法律に適用していない箇所は「既存不適格」となり違法ではありません。
エレベーターが既存不適格となった場合、法律に適用させるためは大規模なリニューアル工事などが必要です。
マーキュリーエレベータは昇降機等検査員資格者による定期検査によって、エレベーターが現行の法律に適用しているのか判断できます。既存不適格に関する疑問をお持ちであれば、保守点検からリニューアル工事まで担えるマーキュリーエレベータにご相談ください。
エレベーター保守の法律遵守で安心・安全を提供
エレベーターは建築基準法と労働安全衛生法の2つの法律によって、一定のサイクルで検査の実施が義務付けられています。安全運行に必須となる検査を怠ったり、虚偽の報告をしたりする場合は、厳しい罰則が課せられます。
報告義務はないものの、物件の所有者や管理者は、物件の維持保全に努めなければなりません。専門知識や国家資格保有者が在籍する保守点検会社へ依頼し、物件の維持管理をするとよいでしょう。
エレベーターでお困りの方は、マーキュリーエレベータにご相談ください。