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水害対策についての基礎知識|エレベーターの故障を防ぐ対策を徹底解説

本記事では水害の基礎知識から建物全体の対策、さらにエレベーター特有の水害対策をわかりやすく解説し、実際に役立つ対応策を紹介します。

近年、台風や線状降水帯による突然の豪雨で、水害が全国各地で頻発し、建物やライフラインに深刻な影響を与えています。特に、エレベーターの制御盤などの電子機器は水に弱いため、浸水により機器が故障し、長期停止リスクや事故につながるおそれがあるため、十分な注意が必要です。

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水害対策についての基礎知識


エレベーターの水害対策をご説明する前に、水害そのものに関する基礎知識をお伝えします。種類や原因、居住地域で発生した際のリスクなど、身近で起こりうる水害を正しく知っておきましょう。

水害は大雨や台風によって起こる災害

国土地理院は、水害を「大雨や台風など、大量の降雨によって引き起こされる災害」と定義しています。
これは、短時間での記録的な豪雨や台風による河川の急な増水が原因で、河川の氾濫や土砂災害が発生する状態です。また、水害は雨だけでなく、高潮、津波、雪解けなども要因となります。
日本は気候的に降水量が多いことに加え、以下のような水害が発生しやすい地理的条件が多くあります。
● 河川や海に近い地域が多い
● 埋め立て地が多い
● 山間部が多い
日本は過去10年間、全国の約97%の市区町村で水害が発生しています。

主な水害4つ

日本で起こる主な水害は、「洪水・氾濫・高潮・津波」です。
● 洪水(外水氾濫):台風や豪雨で河川の水位が上がり、堤防から水が溢れ出し、決壊して起こる
● 氾濫(内水氾濫):多量の雨水が下水道や排水路の処理能力を超え、排水しきれずに道路や住宅地に浸水する
● 高潮:低気圧や台風の接近で海面の水位が上昇し、沿岸部や河川周辺が浸水する
● 津波:地震などで海水面が変動し、大きな波となって打ち寄せ、浸水する
また、これらに伴って発生する土砂災害も、水害として分類されています。
日本の水害は、居住地域を問わず、身近な災害だといえるでしょう。

建物全体の水害対策について


水害の脅威は、都心部の建築物にも及んでいます。
近年では、令和元年の台風第19号による大雨が、高層マンション内の電気設備に浸水したことで、停電やエレベーターの停止が起こり、住民に大きな支障を与えました。
これらの被害を背景に、国の水害に対する方針も強化されました。
令和2年には、国土交通省と経済産業省が主導し「建築物における電気設備の浸水対策ガイドライン」を策定し、具体的な水害対策を提示しました。
● 浸水リスクの低い場所への電気設備の設置
● 建築物内や電気設備への浸水を防止する対策の実施
● 水害発生時の適切な対応の策定
国も法整備によって、従来の治水のほかに浸水対策の充実を図り、住民の安全確保に取り組んでいます。

エレベーターの水害対策について


ここからは、エレベーターに特化した水害対策について解説します。これらの対策は、日頃から情報提供や注意喚起をしておくことで、万一の事態にも、迅速な対応と住民の安全確保が実現します。

エレベーターの製造メーカーによる水害対策

各製造メーカーは、エレベーターの浸水・冠水対策を行っています。
対策の具体例を挙げてみます。
● 機械室レスエレベーターの制御機器を上部に設置し、浸水による影響を受けにくくする
● 一部の機種はエレベーターピット内で冠水を検知した場合、エレベーターを自動的に上階へ移動させ、待機や運転休止の制御を行う
各社とも、乗客の安全確保対策に取り組むとともに、非常時でもエレベーターの被害を最小限に抑える工夫を実施しています。

大雨時に浸水させないためにできる対策

エレベーターが水害による被害を受けないために、すぐにできる対策をご紹介します。
● エレベーターホールや建物の出入り口に、止水板・防水扉・土嚢などを設置し、水の侵入を防ぐ
● 側溝や排水口を普段から掃除し、水はけを良くしておく
● エレベーターピット内などに防水工事を行い、建物のひび割れなどからの浸水を防ぐ
また、万一浸水してしまい、閉じ込めに遭ってしまった場合に備え、非常用品を入れた防災キャビネットを設置するのも対策として推奨されています。
これらの対策は、大雨が降り始めてからではなく、日常的な備えが不可欠です。

水害対策をしても浸水してしまったときは人命最優先


水害時にエレベーターが浸水・停止した場合、人命救助が最優先です。専門業者に連絡・依頼することで、二次災害の防止と感電事故などによる重大事故の防止につながります。
もし利用中に閉じ込めが発生した場合は、自力で救出・脱出せず、管理会社や緊急連絡先に速やかに連絡し救助を待ちます。また、水が引いたあとも見た目に変化がなくても緊急点検を依頼し、安全確認が完了するまで使用停止を徹底しましょう。

水害対策のご相談は、マーキュリーエレベータへ

日本の地理的条件により、水害は避けられない自然災害です。しかし、国の策定したガイドラインに沿って備えを行ったり、最新機能を導入したりすることで、最小限の被害にとどめられます。また、日頃から水害に備え、エレベーター内外の環境整備も水害対策として重要です。
大雨や台風の際に安心してエレベーターを利用するためには、専門業者のサポートが不可欠です。水害対策に関するご相談は、ぜひマーキュリーエレベータへお問い合わせください。建物の条件に合わせた最適な対策をご提案します。

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